『「勝手な期待」でイラッとしないために』~明快通信Vol.017~
2014年7月15日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
鹿は、食べ物の消化に「塩」が必要なんだそうです。
長野県では、冬に融雪剤として使われる高濃度の塩を食しに、
道路まで鹿が下りてくるそうで、そうやって塩を食べ、
元気に冬を越し、その数を順調に増やしているそうです。
そのため、きれいな高山植物がどんどん食べられてしまっているとか。
(どこで何が影響してくるのか、わからないものです。)
今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「怒り~part2~」。詳しくは本文で・・・!
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テーマ:「勝手な期待」でイラッとしないために
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前回、2つの『期待』のバーについてお伝えしました。
一つ目は、その人のより高い能力や
パフォーマンスを望んでいる高い「期待」のバー。
これを「上のバー」としました。
次に、着実にこなしてほしいと思っている確実性を望むバー。
これを「下のバー」としました。
―――――――――――『上のバー』より高い能力・パフォーマンス
―――――――――――『下のバー』確実性・着実性
もし、この期待のどちらかが原因で、自分が
イラッとしていることに気づいた時は、どうするか?
これが今日のテーマです。
【下のバーでイラッとしたら・・・】
「下のバー」の場合、確実に着実にこなしてほしいという
「期待」なので、この「下のバー」を下回ることをされると
かなり大きなイライラに繋がります。
わかりやすいところでいうと、
朝きちんと出社するとか、報連相をしっかりするというのは
最たるものと言えるでしょう。
下の期待のバーに引っかかる社員は
他の面においても、周囲の社員を困らせていることが多いのです。
なので、下のバーに引っかかってしまった場合は、とにかく
相手に、着実にこなすように伝えることです。
「朝きちんと10分前に出勤しなさい」など
それが会社としてあなたに求めることなのだという明確な
意思表示をすることが大事です。
【上のバーでイラッとしたら・・・】
「上のバー」の期待は、注意が必要です。
まさに「勝手な期待はするな」という事象が起こりがちなのが
実は、この上のバーの場合なのです。
「勝手な期待」の例を挙げてみます。
例えば、
あなたにはいずれ営業チームのリーダーになってほしい。
この「なってほしい」で話を終えてしまうなら
これこそまさに「勝手な期待」です。
実は、私の経験上、この期待を聞いたときに「で?」と思う人が
少なからずいるのです。
この相手に「で?」と思わせる期待は、「勝手な期待」といえます。
期待をかけられたのは、なんとなくわかるが、
実際のところ、言われた本人は、
どうすればいいのかわからないということが往々にしてあるのです。
この場合、期待の本意が、相手に全く伝わっていない。
そうすると、期待され、張り切った社員の取った行動が
全くの見当違いだったり、社員自身への迷いに繋がったりします。
だから、高い期待をかける時こそ、より具体的に
相手に伝える必要が出てきます。
君のプレゼン力と部下からの厚い信頼を私は買っている。
だから君にはいずれリーダーになってほしい。
そのためには、ひとつ、部下の指導育成という面に
これから、より力を入れて取り組んでほしい。
といったように、飛び越えるバーをはっきりさせましょう。
まさに今、あたなの周りに
上のバーを越えられそうで、越えられない人がいるなら
一度、具体的な「期待」のバーを伝えてみることです。
【「期待」を曖昧にしないこと】
そしてこの自分の中の「期待」に気づいたときに、もう一つ
覚えておいてほしいことがあります。
「期待」があなたの目を曇らせるという事です。
例えば、あなたには、リーダー職にいずれ就いてほしいと
期待している部下がいます。そして、その部下が指導育成を
できるようになることを期待していたとします。
この部下、やる気もあるし、自主学習も抜かりなく、
営業成績もいい。上司との関係も良好だ。
これはいいリーダーになるな。
そこで、実際にリーダー職に就かせてみる。
しかしながら、就かせてみて初めて、
人に仕事を任すことができず、自分で抱え込み、
部下の指導育成にならないことがわかった。
この時、あなたは、自分の「期待」で目を曇らせていたと言えます。
自分の「期待」を明確にできていなかったのです。
曖昧な期待は、「事実」を見定める力を弱めます。
そうすると、曖昧な「期待」をしたのは自分なのに、
裏切られたと感じてイラッとすることになるわけです。
ここまで読んでいただいた方なら、このイラッは、
避けて通れるものだとお分かりいただけると思います。
自分の「期待」を俯瞰して、決して自分の「期待」に振り回されず、
いかに周りの社員により高い「期待」のバーを超えてもらうか。
ちょっと考えてみてくださいね。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤です。
自分の期待に振り回されると言えば、
やっぱり家族や恋人など身近な関係性においてよく発生します。
自分を一番わかっていてほしいから
「言わずともわかってほしい」と期待し。
気の置けない相手だからこそ、
自分が思った通りの相手でいてほしいと期待する。
相手も人。自分も人。
所詮、ありえない話なのに、自分の期待で目は曇る一方。
最近、編集後記にたどり着くころには、自分を顧みて猛省です。
また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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