『チーム意欲を維持するための一つのコツ』～明快通信Vol.99～
2016年3月15日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
10階から私一人を乗せ、降りていくエレベーター。
5階で止まり、人が乗ってくる。動かないエレベーター。
1階を押し忘れている私のために、誰かが1階を押してくれる。
（何度体験しても、恥ずかしい瞬間です。）
本日も、早速、井上健一郎先生のお話を、
私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ：『チーム意欲を維持するための一つのコツ』
会社にとってのビジョンやミッション、
組織にとっての目標を掲げることが
重要視され始め、意識も強くなってきています。
「このこと自体は悪いことではない。
ただ、目標やゴールを見据え過ぎるあまり、
プロセス（過程）を疎かにしていませんか？」
と井上先生。
というのも、プロセスを大切にしないことで
ただ業務に追われた社員や部下の不満が溜まって、
雰囲気が悪くなると言った事態が起こりがちだとか。
いったい、経営者、リーダーとして
プロセスを大切にするとはどういうことなのでしょうか？
井上先生からお話を伺ってきました。
■課題をこなしていく中で起きる感情
組織が目標に向かって動いているなら、
いろいろな課題が起きるのは至極当然のこと。
予想もしていなかったことも起きてきます。
そして、目の前に起きた課題が
予想もしていなかったものであればあるほど
「こんな目に遭うの？！」といった一種の被害者意識に
似た感情が人には芽生えやすいと井上先生。
こういった感情が、組織やチームに
影を落とすこともしばしばだそうです。
そんな時のリーダーの役目を井上先生はこう表現されました。
「ふと振り返らせる瞬間を作る」
例えば、みんなで山登りをしていたとします。
5合目に到着して、山頂を見上げるとまだまだある。
その時に、「みなさ～ん、後ろを振り返ってみてくださーい」
振り返ると、5合目ならではの世界・景色が広がっている。
その瞬間、登ってきた道のりと今見える景色に気づく。
「ここまで来られたね～。」
これまでのプロセス、やってきたことを
客観的に実感できる瞬間を作りだすわけです。
山頂を見ているつもりが、いつの間にか
足元だけを見て歩いている。
はたと辺りを見渡すと、積み重ねてきた歩みが
いつの間にか自分をこんな場所まで連れてきてくれていた。
そんな感じでしょうか？
とはいえ、実際の現場ではどのようなことを
すればいいのでしょう？
■ゴールまでの足跡が積み重ねであることを知る
例になぞらえて考えてみたいと思います。
営業の現場で、商談成立10件を目標にしていた。
そうすると、商談10件にばかり目がいってしまいがちです。
でも実際には、その目標達成のためにしていることが
他にたくさんあるはずと井上先生。
山登りに例えてみると、
テレアポは1合目、初回訪問で2合目、見積もりで5合目と、
どの作業も頂上の「成約」目指して、登っている行程で
あることなわけです。
だから、リーダーは「今日の成約は何件だった？」ではなく
その積み重ねを振り返らせるなら、
「今日、できたことは何だった？」と聞いてみること。
「今日はテレアポ50件やった」
「今日は初回訪問2件と見積提案を1件した」
そこで初めて、メンバーが
やったこと、達成したことに目が向くことになるのだとか。
意外といろんなことを積み重ねてきたことに気づき、
やる気が出てくる人も少なくないそうです。
そして、井上先生曰く
「客観的に積み重ねてきた歩みと自分を見つめ、知ること。
これは一つの達成感であり、心地よさなんです」
この心地よさの積み重ねが、
ゴールに至るまでのイライラや疲れ、痛みを緩和し、
次を乗り越えていく意欲に繋がっていくのだそうです。
「ほらあと少しだから、頑張るぞ、前向け前！」と
言っているだけではどうにもならない時がある。
そんな時にぜひ思い出してほしい、
そんな井上先生のお話でした。
組織と感情の狭間にヒントはある？！
来週もお楽しみに^^
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■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
自分自身がどこにいるのかわからなくなる。
だから、人の呼びかけや問いかけで
自分の居る場所や道のりを知ることができる。
今日はそんなお話だったのかなと感じております。
先日観た「Wild（原題）」という映画を思い出しました。
邦題は「わたしに会うまでの1600キロ」。
原作は、パシフィック・クレスト・トレイルを
１人で歩ききった女性の自叙伝。
自らの離婚や最愛の母の死、自暴自棄な生活の中から
抜け出すために、数千マイルを独りで歩ききると
決意する主人公。
対峙すらできないほどの広大な自然の中で、ただ独り。
自分の歩いてきた道を感じ切り、受け入れる。
そんなお話でした。
自分が歩いてきた道を振り返ることは
意識的にしないとできないことなのかもしれませんね。
それでは、次回もよろしくお願いいたします！
佐藤明日美
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