『採用面接でリスク条件を嗅ぎ分ける方法』~明快通信Vol.97~
2016年3月2日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
今、私の机の上には、キングダムの日めくりカレンダーが
乗っています。本日は、ヒョウ公将軍が
「前進じゃァ!!」との名言とともにおわします。
(改めて、キングダムエネルギーの凄さを感じてる次第です)
本日も、早速、井上健一郎先生のお話を、
私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ:『採用面接でリスク条件を嗅ぎ分ける方法』
3月と言えば、人事担当の皆さまにとっては、
なかなかにご多用の時期かと思います。
そんな時期ですので、
今回は、「採用」をテーマに
井上先生のメッセージをお伝えしていきたいと思います。
■採用面接で陥る失敗は、脳の働きのせいだった?!
採用面接をご経験の皆さま、このような経験はありませんか?
「良い人が採れたな」と思っていたら、
本人の出社から10日後くらいには、
「あれ?こんな人だったっけ?!なんで採用したんだっけ?」
そういうお悩みを聞く機会が多いと井上先生。
採用面接に臨むときに、覚えておいてほしいことがあるそうです。
というのも、人間は初対面の10秒で相手の印象を
決めるのだそうです。
なので、最初の10秒で良い印象を持ったときには、
その後の面談では、その良い印象を持ったという
自分の感覚の証拠固めしか、しなくなってしまうのだとか。。。
ですので、井上先生曰く、
「ポジティブな側面ではなく、
面接に来た人が持つリスク条件を引き出すことに
意識を向けておかないといけない」とのこと。
■リスク条件をドっ直球に聞く「ムダ」
採用時に、「残業NGな人は採りたくないな」とか
「時給が低いと不満を言う人は採りたくない」など、
採りたくない人のイメージがあると思うのです。
「こういう傾向の人は、早々に会社を辞めていくよな」
という経験則に基づいた感覚もお持ちでしょう。
そういったネガティブなイメージは、必ず、
採用面接前に、はっきりさせておいた方がいいと井上先生。
ただ、イメージを持っても簡単ではないのが採用面接の壁。
例えば、「うちの会社、時給850円なんだけど大丈夫?」とか
「うち、残業あるけど大丈夫?」といった質問を
したことがある人はいませんか?
こちらの質問、実は、誘導尋問のようなもので、
聞かれた方は、ほぼ間違いなく
「850円問題ないです!」「大丈夫です!」と答えるそうです。
つまり、イメージの聞き方にも、コツがいると井上先生。
なぜなら、こちらがリスクを感じとっているなら、
採用面接に来ている人も、これを言ったら「リスクだ」と
感じているに決まっているからです。
では、どうやって、リスクやマイナスポイントを
聞いていったらいいのでしょう?
■そんなリスクは何ら問題ないという空気を作る
「リスクについては、誰も正直に話したいと思わない。
だからこそ、自然と話してしまう流れと場を
作ることが大切」と井上先生は言います。
ある学生採用の場面を使って考えてみます。
()の中は心の声です。
面接官:「学生時代は何をしてたの?」
学生:「結構な時間をバイトに充てていました」
面接官:(あれ?そんなにバイトしていて、学業の方は
どうだったんだろう?)
はい、この後、皆さんはどのように質問をしますか?
「そんなにバイトやってて、学校は大丈夫だったの?」
この質問はアウトですよ。
「大丈夫でした!」という答えしか返ってきません。
では、井上先生はどう聞くのか?
「そんなに遅くまでのバイトだったんだ。
僕も経験あるんだけどさ、夜遅い時間までのバイトって、
若いと、眠いし、朝きついし、一限目が
なかなか行けなかったんだよね。
行けなかった授業ってどうしてたの?」
どうでしょう?
「僕もそうだった」という肯定感と安心感を作り、
本質の質問を投げかける。
ここで、もし授業に出ていたのなら、
「いやちゃんと出てましたよ」という答えになるでしょうし、
授業に出られていなかったのなら、
「そうなんですよ~。試験前のノート集めが大変でした」
という答えが返って来やすいのだそうです。
つまり、リスクをリスクと感じ取らせないための、
肯定と共感による安心感を作ることが大前提になるとのこと。
ここまでだと、まだ少しわかりにくいと思いますので、
次回は、もう少し事例を重ねながら、
このリスクを嗅ぎ分けるための面接のポイントを
お伝えしていこうと思います!
そして、3月24日(木)の明快カレッジの
テーマは「採用するリスクと可能性」です。
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来週もお楽しみに^^
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■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
今回のテーマから私が感じたのは「本音」。
思い浮かんだ映画は、「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」。
1960年代のアメリカ南部。
「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドに対する
白人上流社会の差別を描いた本作品。
その差別に疑問を抱いた作家志望の白人女性が、
メイドの実情をまとめて、一冊の本を作成するまでを綴ったお話。
社会からの報復を恐れながらも、
黒人メイドたちの「本音」を後押ししたものは
何だったのでしょう?
安心、勇気、委ねる、
そういったキーワードが思い浮かぶ作品。
「本音」はどういうところに生まれてくるものなのでしょうね。
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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