『評価項目と直感(全体感)で評価することの意図』~明快通信Vol.90~
2016年1月12日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
ある日、明快通信を愛読くださっている方から一通のメール。
その方の部下の女性社員さんが私を「師匠」と呼んでいるとのこと。
(メルマガ90回にして、私にお「弟子」さんができましたよ!
手放しで喜びたい気持ちと身の引き締まる思いのせめぎ合いです)
本日も、早速、井上健一郎先生のお話を、
私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ:『評価項目と直感(全体感)で評価することの意図』
前回は、社員の評価では直感(全体感)も大事ですよ
というお話をお伝えしました。
前回の記事はこちら↓↓
http://jujube-ex.jp/Lcc769/11041
今回は、具体的なお話に入る前に
井上先生の考え方のルーツをお伝えしたいと思います。
今回は少し抽象度の高いお話になりますが
ぜひチェックしてみてくださいね。
■評価項目と全体感とは?!
井上先生は、まず、評価項目と全体感について
次のような角度から、説明してくださいました。
〇評価項目による評価で評価者が使うもの
「客観・合理性・思考・左脳」
〇全体感による評価で評価者が使うもの
「主観・イメージ・感情・右脳」
こうやって見てみると、2つがどうやら
両極の位置にあることに気づきませんか?
井上先生曰く、今、日本ではこのバランスが悪いのだそうです。
ある時期を境に、日本には、アメリカの考え方
(MBAやハーバードビジネススクールなど)が
一気に流入してきました。
それにより、「客観性・合理性・思考・左脳」が
ビジネスの中で多く語られることになり、
いつの間にか「イメージや主観」でものを語っては
いけない風潮になってしまった。
その影響が今、どんなところに出ているのか?
例えば、井上先生が研修で入った会社であったお話。
45歳男性社員。売上成績はすごくいい。
ハイパフォーマーなんだけど、とにかく感じが悪い。
チームの雰囲気も悪くなって困っている。
この悩みの背景について、井上先生曰く、
「数字などの客観的なものに偏りすぎて、
主観部分が排除された中で、
その社員さんが成長してきた結果でしょう」
なぜ、このバランスが大切なのでしょうか?
■井上先生が全体感を大切にするワケ
井上先生は、エンターテイメント業界で
左脳的な時代の流れとは関係なく、それぞれが感じたことを
言い合う職場に身を置いていたんですね。
もちろんビジネスなのだから、売上のために
左脳的な合理性も客観性も論理性も、当然だった。
とはいえ、職場を自由闊達に、エネルギー溢れる場にしていたのは
常に、皆が感じているものを言い合っていたからだったと
振り返ります。
そこかしこから、良いアイディアが生まれ、勢いが生まれていたと。
左脳と右脳のバランスが、職場の中で取れていたというのです。
この振り返りで井上先生は、左脳的なものに偏るのではなく、
右脳的な要素とのバランスが取れていることが
さらに職場に良いエネルギーを生むことに気づかれたわけです。
■評価制度でもバランスをとっていく
その結果が評価についてのこの考え方。
「主観と客観、合理性とイメージ、左脳と右脳といった
両極端にあるものの「調和」にこそ、納得のいく評価がある」
評価項目があることで、視点を細分化し、
もともとバラバラな評価者の焦点を
合わせることができると井上先生。
そして、それは思考レベル、つまり
左脳的に評価を確認しあうことだというわけです。
一方、全体感は、それぞれが業務の中で、
日々積み重ねてきているものなのだそうです。
あの人は頼れる人だ、あの人がいると安心だ、といった
相手に対する感情やイメージは日々作られているわけです。
井上先生曰く、
「現場は、主観で見ている。日々の感情の蓄積が
チームを作っていく上では、避けて通れないんだよ」
左脳的な思考レベルの評価に固執していると、
普段の感情的な蓄積が解消されなくなってしまう。
そうすると評価に違和感が生まれることがある。
評価項目で見るべきもの、
日々の積み重ねから生まれている感情が合わさって、
初めて、納得のいく評価が生まれるということなんですね。
みなさんどのように感じましたか?
次回はもう少し、具体的なお話をお届けします!
組織と感情の狭間にヒントはある?!
来週もお楽しみに^^
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■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
左脳と右脳のバランスと聞いて思い出したのが
ドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」。
かのスタジオジブリで、
宮崎監督「風立ちぬ」、高畑監督「かぐや姫の物語」の
制作現場を追いかけたドキュメントであります。
宮崎監督と高畑監督が作品に身を投じ、魂を入れ込んでいく姿と
鈴木敏夫プロデューサーと若き西村義明プロデューサーが
マネジメント・広告・マーケティングに奔走する姿。
まさに右脳と左脳の役割のよう。
役割は、はっきり分かれているけれど、
それぞれのバランスがとれているからこそ
世に影響する大きなエネルギーを生み出せるのかなと思ったのでした!
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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