『なぜ、人を評価するのが嫌になるのか?』~明快通信Vol.85~
2015年12月1日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
12月といえば忘年会シーズン。ここのところ粗相が多い。
お酒を置かれた瞬間に、乾杯をすっかり忘れ、飲もうとする。
(忘れたいことが多いわけじゃないですよ、決して(笑))
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さて、本日も、早速、井上健一郎先生のお話を、
私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ『なぜ、人を評価するのが嫌になるのか?』
人事評価制度の導入を検討している中小企業の方と
お会いしているとこんな声をたまに聞きます。
「評価をするのが怖いんですよね。抵抗があるんです。」
皆さんはいかがでしょうか?
今回は、井上先生に評価者が
「評価したくないな。抵抗あるな。」と感じたときに
覚えておいてもらいたいことを聞いてきました。
■評価は、何のためにするのでしょうか?
評価に対する不安や抵抗を感じている人に共通していること。
井上先生はこう言います。
「相手(部下・社員)の感情を害することに意識が向いているから」
とのこと。
つまり、相手の悪いところを指摘したり、
「ここを直しなさい」と促したりすることが評価制度だと思っている。
「違うの?」そう思われた方もおられると思います。
そう思った方、だから評価が辛くなるのだそうですよ。
実は、人間の脳というのは、
無意識に足りてないところ、欠けているところに目が行くように
出来ているのだそうです。
だから自分が意識しなければ、部下や社員の悪いところにしか
目が行かなくなるらしいです。
評価とどう繋がっていくのかと言いますと、
皆さんの身近にこういうことはありませんか?
評価会議での会話が、社員の悪口ばかりになる。
あいつのあそこは直さなくちゃいけないとか。
あいつのあぁいうところが本当に困っているとか。
それは、人間の脳に従っているので、当たり前のように
そのような会話は起きうるものなのです。
そして、せっかくの評価制度を入れて運用しているのに
結論が「社員Aさんの困るところはここだ!」となる。
そうなると、社員に伝えるのが嫌になりませんか?
「君の困るところはここなんだ」なんて言いたくないですよね。誰も。
それではどう考えていけばいいのでしょうか?
■評価は、会社の期待を表すものであること
井上先生は言います。
「評価制度で100点取れるような人間なんているはずないでしょ。
100点をとるための評価制度ではないんです。
良い評価がついたところを見つけて、
それがあなたの伸びしろですね。と伝えることが評価なんだよね」
100点の評価制度で〇〇点取れましたというのが、
評価制度の本質じゃないということ。
加えて、評価者である上司自身が
それまでの経験から「点数が低いことが悪いことだ」とか
「恥ずべきことだ」といった悪い感情が
植え付けられている場合が多いのだそうです。
だから、「評価者が苦しくなっていくんです」と井上先生。
そうであるからこそ、少し視点を変えてほしいそうです。
まず「この部下の良いところはどこだろう?」
と考えることがスタート。
「測る」ことではなく、「伸びしろ」を見つける。
そうして、見つけた「伸びる可能性のある良いところ=伸びしろ」を、
会社や上司は「君の成長課題見つけたよ~。僕はこう思う」と伝える。
言わないということは、伸びる可能性を摘んでいるから
むしろ残念なこと。
「あなたは50点だ」と決めつけることではなく、
「残りの50点が君の伸びしろだよ」と発想すること。
そして、ここで注意してほしいのは、残りの50点の補てんは、
決して、点数の低い部分を伸ばそうという話ではないのだそうです。
どういうことだと思いますか?
この根底にあるお話は、長くなってしまうので、
また次回に続きます。
評価が苦しいのは、相手の悪い部分を指摘することが
評価だと思っているから。皆さんはどうでしょうか?
評価制度の楽しさを伝えるべく、年末年始は
「人事評価」についてお伝えしていきたいと思います!
組織と感情の狭間にヒントはある?!
来週もお楽しみに^^
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■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
7,8年前でしょうか。日本映画「フラガール」が
日本アカデミー賞で5冠を達成しました。
覚えておられる方も多いかと思います。
足りないところ、欠けているところに目がいく。
それは何も、人の評価だけでなく、
田舎である(都会じゃない)とか、
名物が何もないとか、人がいないとか。
そんな環境の中で、フラダンスで町興しを
本気で考え、体当たりしていった人たちのお話であります。
あのお話を思い出すと、結局、足りないところ、
欠けているところにばかり目を向けていてもしょうがない。
まさに今、ここにいる人たちがいかに本気で、
目の前の事に取り組んで、感動や共感を呼べるかの方が
大切だったのだろうと思うのです。
目の前の人と作り上げる最高パフォーマンス。
目の前の人とだからこそできる素敵なパフォーマンス。
そんな捉え方を大事にしていきたいなぁと井上先生の話を
聞きながら感じた次第です。
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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