『ピラミッド型の組織図がスタンダードである弊害』~明快通信Vol.83~
2015年11月17日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
先日、歩きながら、鞄の中をゴソゴソ探し物。
ハッと気づいた時には、目の前に人。ぶつかる。
「すみません!」 とっさに謝ったのは電柱でした。
(カバンを綺麗に。。
そして歩きスマホならぬ歩き探し物も止めようと心に誓いました。)
さて、明日は、来年1月から始まる、井上先生のセミナーのお知らせを
いたしますので楽しみにしてくださいね!
それでは、本日も、早速、井上健一郎先生のお話を、
私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ『ピラミッド型の組織図がスタンダードである弊害』
組織図というと、みなさんはどんな絵を思い浮かべますか?
てっぺんに社長(リーダー)がいて、
その下に、部署、課(メンバー)というように
ピラミッド型の組織図を思い出す人が多いのではないでしょうか?
このピラミッド型の組織図に付随してイメージされるのが
トップダウンの指揮命令系統。
これは、日本が右肩上がりの時代において、
トップダウン型の指揮命令系統を守り、
忠実で堅実な実行・徹底をすることで
さらに発展を加速させることができた名残ととることができます。
最近では、この組織図をイメージすることによる弊害が
あるのではないかと、井上先生はおっしゃいます。
というのも、実際は存在するコミュニケーションのラインを
見えなくさせてしまっているからなのだそうです。
どういうことでしょうか?
■人が増えるほどに複雑化するコミュニケーションライン
なぜ、人が増えてくると、リーダーやNo.2の存在が
必要になってくるのか、その理由を考えたことがありますか?
理由の一側面として、
井上先生は「コミュニケーション」という視点から
捉えてみてほしいと言います。
そもそも社員が5人、10人、30人と増えていけば
コミュニケーションは複雑化していきます。
3人だったら、1対1のコミュニケーションのラインは3本。
5人だと、10本。10人なら45本となってくる。
たった10人で、その組織の中には
45通りのコミュニケーションのラインが存在するのです。
だから、社長がいつまでも1人でやっていくには限界がある。
ただ、50人以内の会社であれば、
トップから現場に、1対n(社員数)で指示命令を出すことは
できないこともありません。
それは、トップが自分の組織・チームに対し
「実行・徹底のみ」を求めている場合のみ有効です。
でも実際には、多くの組織・チームは、
自発的に動き、考える社員を欲しい、育てたいと思っている。
では、組織をどう捉えていけばいいのでしょうか?
■人も組織も「感情」で動く
なぜ、自ら考え、動く組織を作っていくためには
1対nのピラミッド型を止めなくてはいけないのか?
それは、n同士の横のつながりを無視しているからなのです。
実際のコミュニケーションラインは、傘を開いて上から見たように
細かくラインが形成されています。
だから、ピラミッド型のコミュニケーションをイメージしていると
実際のコミュニケーションラインの存在に気づけず、
どこか一つのラインから会社に対する違和感が出た場合に
対応ができない、遅れる。
気づいた時には、たった一本のコミュニケーションライン上の
違和感が、業務上の大きなネックになったりしてしまうのです。
こんな経験はないでしょうか?
リーダーが、「Aの方法でやるぞ!」と指示をする。
でもあるメンバーが「Bじゃないとうまくいかないんじゃないかな」と
思っていたとします。
リーダーに伝えればいいだろうと思うところですが、
多くの悩んでいる企業で起きていることは、
横同士、メンバー同士のつながりの中で
「ああじゃないか」「こうじゃないか」と言っている事が多い。
得てして、そういった横のメンバー同士のつながりが
大きな抵抗勢力となって、リーダーの頭を悩ませるといった具合です。
平面的なピラミッドの組織図ほど、
人のネットワークは単純ではないということです。
小さな規模の会社であればあるほど
人が1人だけ発したことの影響力は、馬鹿にならないのだとか。
■1対nが通用しなくなってくるから、リーダーを作る
井上先生は、以前から、「組織は5人単位で考えなさい」と
おっしゃっています。
それは5人チームの場合、
実際のコミュニケーションラインが10本であり、
一番、コミュニケーションがとりやすいから。
どんなに多くても10人までだと言います。
だからこそ、このあたりの数が見えてきたら、
リーダーを立てる、もしくは育てることを考える。
そのためには、常に、コミュニケーションを
傘を開いて上から見るように、立体的に捉えていくこと。
(傘の中心はリーダー)
そのコミュニケーションラインをフル活用すること。
複数のコミュニケーションライン上に生まれるアイディアや創造性を
引き出し、はぐくみ、形にしていくこと。
これを意識していくことが井上先生の言う
「これからの時代を生き抜く、しなやかで強いチーム」
なのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?
組織と感情の狭間にヒントはある?!
来週もお楽しみに^^
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■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
この実際に見えないながらも存在する
コミュニケーションラインについて書いていて思い浮かんだ話はこれ。
映画「イミテーション・ゲーム」
舞台はイギリス、第二次世界大戦中。
解読不能と呼ばれたドイツ軍の暗号「エニグマ」を
実際に解読した天才数学者の話。
この解読により、戦局が変わり、
戦争終結を2年以上早めたと言われている。
この話自体、英国政府が50年以上も隠してきたものです。
ですので、戦争終結の背景には、誰にも知られず、
戦局を動かしていた人たちがいたということになります。
(どの船団を生かすか、見放すかも彼らの手にゆだねられていた。)
彼らはヒーローだったのか?
自分が見えない・知らないだけの真実が
大きな何かを動かしているという事実に対して
少し無力感を感じましたが。
意識すれば見ることのできるコミュニケーションライン。
可能性を感じずにはおれません!
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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