『管理者は管理をやめると、部下が報連相をしにくる?!Part.2』~明快通信Vol.80~
2015年10月27日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
最近、食して感動したのは、ホタルイカの沖漬け。
美味しいけれど、たくさん食べるものでないことは承知の上、
食べ過ぎて、喉がこれでもかというほどカラカラになりました。
(食べている時は気づかない喉の渇き。感じていてもきっと
止められない自分自身。自分の管理どうしたらよいでしょう…)
さて、本日もまさに「管理」の話。
井上健一郎先生のお話を、私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ『管理者は管理をやめると、部下が報連相をしにくる?!PART.2』
前回は、会社勤め時代に、
進捗管理をしないようになった井上先生に起こった変化。
そこからわかった「問いかけ」と
「部下自身が自分の行動を決断する」重要性をお伝えしました。
前回の記事はこちら↓↓
http://jujube-ex.jp/Lcc769/1931
では、管理をしない代わりに、上司は何をすればよいのか?!
井上先生の経験談より紐解いてみたいと思います。
一体、井上先生は、何をしていたのでしょうか?
■部下から、相談をいかにさせるか?
まず、部下が相談しにくる環境を整えるためには、
ポイントが2つありました。
(1)「YOU&I」ではなく「WE」のスタンス
(2)上司は的確なアドバイスをくれる人と思わせる
どういうことでしょう?
■「You&I」と「WE」のスタンスの違い
まず1つ目。井上先生の変化には、
スタンスに大きな変化があったようです。
2つを比べると、次のようなスタンスの違いになります。
YOU&I:「お前の課題を俺が聞いて、俺が判断する」
WE:「俺たち、この課題についてどう考えようか」
「YOU&I」スタンスの上司に起こりがちなことは
上司が全てを判断し、意思決定することを
部下自身が分かっていること。
だからこそ、「言ってもしょうがない」とか
「下手なこと言いたくないな」と部下は思い始める。
そうなると、報告も相談も頻繁に行われなくなる。
逆に、「WE」のスタンスを持った管理をしない上司は、
頭ごなしに決めつけることは少ない。
部下自身も、決めつけられないことをわかっているから
「私はこう思っている」が言いやすくなるわけです。
そうなると、部下は、相談しに行きやすいですよね。
■上司はアドバイスをくれる人と思わせる
2つ目は、前回お話したように
部下に「決断」する感覚をもたせ、任せられているという実感を
部下が持つことで、自主性に繋がりやすいとお伝えしました。
部下に決断させることを不安に思う方もいるかもしれません。
ですが、井上先生が言っていることは
部下に勝手に決断させてしまうことではありません。
下のような流れをイメージしてください。
「相談→判断(WE)→決断→確認」
相談しにきたら、「WE」精神でお互いの意見を出し合う。
そして、2人で判断する。このような感じです。
部下:「こんなところで迷ってるんですよ~」
上司:「どうしようと思ってるの?」
部下:「案1で進めようと思ってるんです」
上司:「なるほどいいじゃない。ただ、もう少し、
スッキリさせたいからこうしてみたら?」
部下:「たしかにそうですね。ではそこはそうして、
案1で進めていこうと思います。」
上司は、決して決めつけず、
違和感や自分の意見、アイディアは提案し、伝えていく。
そうすると、意見交換や判断の基準作りは
一緒にしながらも、部下自身は、自分で「決断」できている
という実感を感じられるようなのです。
加えて、こういう上司は、決めつけず、
的確なアドバイスをくれる上司と認識されるようになるそうです。
そうなると、部下がアドバイスをもらいに
相談してくるという流れができるというのも頷けます。
上司自身のスタンス一つの違いで、こんなにも周りに
変化が起きるという井上先生の体験談。
皆さんは何を感じたでしょうか?
組織と感情の狭間にヒントはある?!
来週もお楽しみに^^
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
「判断・決断」というワードから今日浮かんだ映画はこれです。
「ジャッジ・裁かれる判事」
ニューヨークで売れっ子の弁護士である主人公。
ある日、母親の急死の知らせ。そして、
田舎の裁判所で判事をつとめる父親が、ひき逃げ殺人を
犯したと警察に連行される。
父親に心を固く閉ざした主人公が
自分の父親の弁護に奔走しながら、真実を探る。
この映画の中で一つの分岐点がある。
「父親が重篤な病気で治療をしていることを公表すれば
刑を軽くできる可能性がある」
「病気を公表することで、ここ一年治療を受けている最中に
判決を下した裁判の信ぴょう性が問われることになる」
病気の父親を長期にわたり、刑務所に入れるのか?
自分の仕事に誇りを持つ父親の仕事に汚点を残すのか?
父親と同じ法律家として、一人の息子として下した決断は?
なんとも見ごたえのある一作でした!
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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