『管理者が管理をやめると、部下が報連相をしにくる?!』~明快通信Vol.79~
2015年10月20日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
待ちに待ったランチタイムに、同僚の人へ声をかける。
「お風呂行ってきま~す!」お腹が減っているのになぜ・・・
(糖分欠乏のため、頭が言葉の管理を諦めたようです)
さて、本日は、まさに「管理」の話。
井上健一郎先生のお話を、私、佐藤がお届けして参ります。
■テーマ『管理者が管理をやめると、部下が報連相をしにくる?!』
社長も管理職も、社員、部下の管理に
頭を悩ませている方、少なくないと思います。
例えば、自分で何にも考えられない社員たち。
報連相すらしにこない部下。そして明るみになるミス・・・
井上先生ご自身の経験から、
「管理しない」という選択によって、起きたこと、
そこからわかったこと、お伝えしていきたいと思います。
■まだ、任せられないなと思っていたリーダー時代
井上先生ご自身が、ソニーミュージックにお勤めの時代、
部下を持ち始めて間もない頃の話を伺いました。
井上先生に一つの大きな気づきをもたらした体験のお話です。
ある部下に対して、「まだこいつにはこの業務は任せられないな」
という感覚があったので、手取り足取り、
「これはこうして、あれはああしといてね」と
指示を出していたのだそうです。
でもある時、自分自身の異動で、部署を離れた。
「あいつにはまだ無理だろうな」と思ってみてみたら
違う上司のもとで、その部下はなんなく業務をこなしていた。
その時に、「徹底してまずはやらせてみること」が
大事なのだと気づいたそうです。
やらせてみたら、できることもあるんだと。
そんな若かりし井上先生が、その後、
どう変わっていったのでしょう?
■いきなり部下が「報連相」をしにくるようになった
井上先生の話だと、その経験の後、
とにかく「やらせる」「任せる」ことにしたのだそう。
そして、何が変わったか。
どんなに言って聞かせても、報告に来なかった部下たちが
自然と相談しにくるようになったのだそうです。
井上先生は、何をしていたのか、、、気になりますよね。
■進捗管理をしなくなる
まず、変化が出たのは、「問いかけ」だったそうです。
それまでは、進捗管理をしている聞き方をしていたとのこと。
「あの案件、その後どうなってる?」
「あの業務の状況教えて?」
井上さん曰く、この聞き方は主語が「業務」なのだそうです。
だから「〇〇の業務は、今、こういう状況です」という報告になる。
一方、変わった後の井上先生は
こう問いかけるようになったそうです。
「あの案件、今、どんな風に進めてるの?」
あまり違ったように思えないのですが、
ここに井上先生が含んだニュアンスは
「あの任せた案件、(あなたは)どんな風に進めてる?」。
主語を、業務ではなく、部下にしているのです。
そうすると、こんな会話が増えたのだそうです。
井上:「今週の金曜日にプロモーションのことを会議で
発表するって言ってたよね?どうしてる?」
部下:「実は、こんなところで、困ってまして・・・」
井上:「あぁそうなんだ。どうするの?間に合いそう?」
部下:「こうしたいと思ってるんですけど」
井上:「あぁいいね。あと、あそこのポイントを
しっかりやると面白くなりそうだよね」
部下:「なるほど。そうですよね。こうしてみようと思います!」
井上:「また前日に、内容固まったら教えてね~」
ここで、一体、何が起こってると思いますか?
実は、問いかけ以外にももう一つ、ポイントがありました。
井上先生曰く、
『部下自身が「決断」をするという感覚を得てる』そうです。
自分が何かを決められているという感覚こそが、自主性へと
つながっていくのだとか。
とはいえ、部下に決断をさせるというのは、
なかなか勇気のいることでもあります。
この「決断する」感覚を得てもらうためのポイント、
上司のスタンスについては、次回、お届けいたしますね!
組織と感情の狭間にヒントはある?!
来週もお楽しみに^^
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
「決断」する。このワードを聞いて思い浮かんだ映画はこれ。
「WHIPLASH(邦題:セッション)」
アメリカで最高の音楽学校を舞台に、
Jazzのドラマーを目指す才能あふれた少年と
その少年に期待をかけた教師の話。
この教師が天才を生み出すために、
少年を孤独と狂気へ突き落としていく。
ライバルに先を越される恐怖。
成功できないことへの恐れ。
そういったものが少年をジワジワ浸食していく。
一端は絶望的に思えた結末も、
少年が自分自身の手で、望んだものを獲りに行く。
「支配」に打ち勝つ瞬間の一瞬の「決断」。
そしてその「決断」後の開放的で、圧倒的なエネルギー。
自分で決断することが生み出すエネルギーを感じられる作品です。
息は詰まりますが・・・
それでは、次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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