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『「キャリア」を理由に辞める若い社員を考えるPart.1』~明快通信Vol.71~

2015年8月18日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

ここのところ、暑さのせいか、降りるべき駅を

通り過ぎること、一週間で3回。

朝から、ちょっと大回りな出社と、定期券外の余計な電車賃。

 

(降り忘れることで私は何を得ているのか…心の余裕??)

 

さて、本日も、井上健一郎先生のお話を

私、佐藤がお届けして参ります。

 

今回のテーマは「社員育成」。

 

■テーマ『「キャリア」を理由に辞める若い社員を考えるPart.1』

 

井上先生から突如質問を受けました。

 

「佐藤さん、平成生まれの退職理由の1位って何だと思う?」

 

みなさんはすぐにピンときましたか?

察しのいい方はお分かりの通り、

テーマにもある「キャリア」です。

 

1位:キャリア成長が望めない。

 

ちなみに、2位は「残業・拘束時間」。

3位は「仕事内容とのミスマッチ」。

4位は「待遇・福利厚生などの悪さ」。

5位「社風・方針とのミスマッチ」、6位「休日の少なさ」

7位「人間関係の悪さ」…と続くそうです。

 

(出典:VORKERS)

 

そして、リクナビネクストの転職対象者に聞く

退職理由の本音のランキングでは、

1位「経営者・上司の仕事の仕方が合わない」

2位「労働環境・時間」

3位「同僚・上司などとの人間関係」

4位「給料」、5位「仕事の面白さ」、

6位「ワンマン社長」、7位「キャリア」だそうです。

 

みなさん、これを聞いて何を感じましたか?

 

井上さんがこの調査を知った時に感じたことは

こういうことだったそうです。

 

「キャリア成長」ってなに?

 

■キャリアとは、そもそも何か?

 

厚生労働省のキャリアの定義によると

『一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、

「関連した職務の連鎖」等と表現され、

時間的持続性ないし継続性を持った概念』

 

もはや何のことだかよくわかりませんね。。。

 

シンプルに捉えてみると、この定義からわかることは、

キャリア形成が、働くことに関わる継続的なプロセスだということ。

 

けれど、キャリアを使う人たちの使い方を見ていると、

経歴や仕事・職種・役職みたいなものに焦点が当たっている。

 

だから、有名な上場企業のマネージャーの人がいたら

それ自体が「キャリア」になると考えがちなんですね。

 

でも、実際は、その役職を通し、何を経験し、

どんな能力を身につけていくのか?を考えることが

キャリア形成のはず。

 

どんなものでもキャリアになりうるし、

それは、蓄積して溜まっていくものなのです。

 

その認識ができないでいると、

環境と仕事を変えれば、キャリアアップできるという

「幻想」に取りつかれることになります。

 

つまり、幻想を追いかけ続けるので

不安や違和感を拭い去れないままでいる人が増えているのです。

 

 

■「キャリア」という幻想

 

平成生まれ世代には、情報社会の中で

生きてきたという背景があるようです。

 

それは、調べれば「答えのようなもの」が

常に転がっている状態なのであります。

 

リクナビネクストの調査でも、退職理由に

キャリアが出てきますから、「キャリア」の答えを

求めている人は若者世代だけではないのでしょうね。

 

だからこそ、自分の中に「自分のキャリアをどうするか」という

問いとそれを模索していく過程があるべきなのに、

誰かからその答えをもらえると思ってしまう。

 

SNSなどで、有名な人の成功体験の一側面を見て、

それが「キャリア成長」なのだという誤解も

生まれやすくなっています。

 

つまり、キャリアというのはそもそもゼロから始まり、

自分で継続して築き、積み重ねていく、答えのないものです。

キャリアに答えがあると思っている人は

幻想にとらわれているんですよね。

 

では、そんな人たちが増える中で、

組織のトップは何を考えていけばいいのか?

 

次回、考えてみたいと思います。

 

組織と感情の狭間にヒントはある?!

来週もお楽しみに^^

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

この文章を書きながら、思い浮かんだのは、

映画「スラムドッグ$ミリオネア」。

 

インドのムンバイで有名なスラム街、ダラーヴィー地区。

ここで育った少年が主人公の映画です。

 

無学で貧しい少年が、日本でいうクイズミリオネアという

クイズ番組に出場して、最後の問題まで勝ち進む。

なぜ彼は答えられるのか?ということで

あらぬ嫌疑をかけられ、警察に連行されてしまう。

 

でも、彼には今までのクイズに答えられる人生の経験があった。

それは、決して幸せな経験とは言えないものもある。

 

この少年のように、人生のある舞台において

どんな経験がスポットライトを浴びるかなんてわからない。

 

そこが、キャリアを積み重ねていく話に重なりました。

その経験がためになったとか、素敵なものだったと感じるのは

やはり後々、その経験にスポットを自分で

当てられた時なのかもしれませんね。

 

次回もよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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