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『社員の個人目標を作るときの落とし穴』~明快通信Vol.68~

2015年7月28日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

先日の豪雨で、頼もしい傘が雨漏りを起こしました。

こまめに防水スプレーをかけていますが、

その撥水すら上回るほどの豪雨。

もはや、傘を差さずに雨宿りをすればよかったと思っても

時すでに遅し。

 

(傘をさして、頭のてっぺんが濡れるという事態に困惑しました)

 

さて、本日も、井上健一郎先生のお話を

私、佐藤がお届けして参ります。

 

今回のテーマは「個人目標」。

 

■『社員の個人目標を作るときの落とし穴』

 

自分の担当以外のことはやりたくないという社員、

自分の目標を達成すること以外に興味のない社員、

みなさんの周りにはいますか?

 

今日は、こんな社員が周りにいて、

かつ会社で個人目標を立てている時は

その目標の立て方について少し振り返っていただきたいような

そんなお話です。

 

■井上先生の個人目標の考え方

 

会社で働いていると、評価制度などで、自分の目標を書いたり、

設定したりしますよね。

 

この時、大方の場合、こんな個人目標が立てられるのです。

 

・新規営業案件 5件

・前年度比営業成果 120%

・電話営業の商談成約 10件/月

 

いたって普通の目標設定だと思われた方もいるかと思います。

私もそう思いました。

 

けれど、井上先生はこれに警鐘を鳴らしつつ、一言。

 

「個人が持つ目標は自分の成長課題だけでなく、

個人が持つべき目標には、会社への貢献課題もあったほうがいい」

 

どういうことでしょうか?

 

 

■個人目標の弊害

 

井上先生がよくお話されることの一つに、こんな話があります。

 

最近、評価制度の個人目標は各自達成しているのに

売上目標が達成できない会社が増えているということ。

 

 

例えば、チームの売上10%アップを目標にして、

社員Aさんの目標が、新規営業売上5件としたとします。

 

そのAさんは残り1ヶ月を残し、すでに5件を達成。

でも、他の社員が思ったように達成できていないこともあり

このままだとチーム目標は達成できない。

 

こういった時に、最近、起きているのは

「ちゃんと自分の目標達成しましたよ、担当なので」

「自分はすでに目標達成したので、はい終わり」

 

という、自分の担当範囲のことしか考えられない社員の出現です。

 

それなら、チーム目標はどうなるの?

これがまさに、個人の成長課題のみを設定したことによる弊害です。

 

■個人の課題が目標になると見えなくなること

 

目標を個人の成長課題として落としたときに起こることは、

『全体感』がどうしても見えなくなるということ。

 

 

例えば、「君の目標は電話営業でアポを10件取ることだ」と

社員に伝えて、その達成値で仕事のできを管理しようとする。

 

 

このアポ10件とはいったい何か?

 

 

それは、自分たちのチームや会社の売上達成に向けて、

分解された業務の一つなのです。

 

こうやって、チーム目標に向けて、分解されたパーツ(業務)を

それぞれがバラバラに持っている状況なわけです。

これがよくある個人目標です。

 

そうなるとパーツで渡されているから、

意外と完成形を認識できないということが起きる。

(まるでガンダムのプラモデルの足だけ

完成させればいいと思っている状態です。)

 

だからこそ、自分のパーツだけで完成できないことを忘れて

必死にそのパーツだけを完成させようとする。

会社が完成させたいのは、ガンダムのプラモデルなのに。

 

だから、井上先生が言うように、個人目標を立てるのであれば

全体感のわかる目標も常に傍に置いておいて、

見えるようにしておかなくてはいけない。

 

これが井上さんのいう「会社への貢献課題」。

 

社員に自分の目標を通して

全体の目標達成ができるのかを

いつも行ったり来たり考えてもらうわけです。

 

例えば、こんな目標の立て方も一つですよね。

 

目標:チームの売上前年度比110%+成長課題 新規営業10件

 

5.前年度比120%以上、 新規営業21件以上達成

4.前年度比110%~120%未満、新規営業14件~20件達成

3.前年度比達成できず、新規営業10件~13件達成

2.前年度比達成できず、新規営業5件~9件達成

1.前年度比達成できず、新規営業0件~4件達成

 

そして、個人目標と全体目標の間で自ら動き、達成できたとき

各自が感じられるものは「貢献できている」という感覚。

強い組織を考えるとき、大切なところですよね。

 

自分の事ばかり考える社員がいるときには

チームの全体感が見えているかどうかに

目を向けてみるといいかもしれませんよ。

 

組織と感情の狭間にヒントはある?!

来週もお楽しみに^^

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

『目標』というキーワード。

 

今回、書きながら思い浮かんだ作品はこちら。

2014年日本でも公開された映画『ジャージー・ボーイズ』。

1960年代にアメリカで栄華を極めたポップスグループ・

フォー・シーズンズの栄光と挫折を描いた作品。

元はトニー賞受賞のミュージカル作品です。

 

リードボーカルを務めていたフランキー・ヴァリのソロシングル

「君の瞳に恋してる」はとても有名ですよね。

 

貧しい田舎町の悪友4人組みが、スターを目指すわけです。

そして念願だったトップスターの座に就くのですが

脆くも崩れ去る友情、トップの座からの陥落の恐怖。

 

トップスターという目標は同じにも関わらず、

いざ手に入れると、自分の本当に欲しかったものが

メンバーそれぞれ違ったことが分かり、散りぢりになるわけです。

 

目標を達成したその先に何を見るかは、

やはり人それぞれ。

でも、目標があるからこそ、突き進める。

なんとも考えさせられます。

 

次回もよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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