『「責任とります」はどういうことか?』~明快通信Vol.059~
2015年5月19日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
先日、職場にて棚の上にあるお盆をとろうとしたところ、
顔面めがけて、勢いよく降ってくる黒い物体。
必死になってよけたところ、お盆の上に小さなお盆が
載っていて、滑り落ちてきただけでした。
(すんでのところで避けられる反射神経が残っていたことに感謝です)
先日、明快通信【号外】でご案内した、
井上先生のセミナー情報は、編集後記のあとにある
『井上先生の無料【組織活性化プロジェクトセミナー】はこちら』
をご覧くださいね。
さて、本日も人や組織に関する井上先生のお話を
お届けして参りたいと思います。
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■今回のテーマは『「責任とります」はどういうことか?』
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先日、知り合いとの会話の中で、
「責任をとる」とはどういうことなんだろうという話になりました。
一瞬、あれ?と二人で考え込んでしまったのですが、
みなさんなら、どんな説明をしますか?
その時に私が出した結論は、これです。
最後までやりきった結果が悪かった時、
「私が悪かった、申し訳ありません」と言うこと
とにかく、責任をとるのであれば、
自分の非を認め、素直に頭を下げられるかどうか。
これが責任をとるということだと思います。
よく懲罰として、「左遷」や「降格」などがありますが、
それは、あくまで自分の非を認めた後の話なのです。
非を認めた後に、会社からの懲罰という処置を受けたにすぎず、
決して「懲罰を受ける=責任をとる」という意味ではないわけです。
■「責任」はいろいろなところで発生している
「責任をとる」という言葉を聞いて、
一番最初に、大企業の不祥事が明るみに出て、
謝罪会見で社長が頭を下げているシーンを思い浮かべた方いませんか?
たま~にですが、社長が責任の所在について、
言いきっていない場合ってありますよね。
ただ、社長の心中を慮ると、
言い切りたくない気持ちもわからないでもありません。
例えば、問題が起きた案件が課長決済のみで良かった場合、
校閲はあって、部長も社長も判を押すでしょう。
とはいえ、決済を課長がしたなら、やっぱり課長の責任で、
だからこそ、「社内に問題がありました」と言いたくなる。
だから、責任が自分にあるとは言い切れない。
こんなことが、心の中で起こってもおかしくないと思うのです。
■組織は大きくなればなるほど責任所在があいまいに?
社長にもこれが起きるなら、組織の中の小集団であれば
さらに起きやすくなるのではないでしょうか。
組織は大きくなればなるほど、どうしても
ルールや仕組、制度が先行します。
何かが起きても、「ルールに則ったよね」と言える状況が
作られやすいのです。
そのルールの中で、役割が決められているならば
簡単に「ここからは自分の担当外だから、自分の責任じゃない」と
言いやすいですし、そう考えることが可能なのです。
こんな話聞いたことありませんか?
ある電話対応に関するお話です。
取引先からの大切な書類の到着が遅れていて、
問合せをした際の担当者の対応です。
「到着が遅れてるんですね。
いや~こちらも困ってて、うちの管理の方が遅くてですね、云々」
同じ社内にもかかわらず、管理の責任だというわけです。
この話を聞いてわかるように自分が担当者じゃない場合に、
「自分は悪くない」と言いたがる人は結構いるように感じています。
■「WE」という視点の欠如が示すもの
こうやって役割を限定して、
さらに「I」である自分自身の責任についてのみ語るわけです。
そこに不足しているのは「WE」つまり我々、私たちという
視点・考え方なのだと思います。
これは、「自分」の役割・仕事という狭い視点ではなく、
会社やチームとしての見え方・関わり方という視点から、
ものを考え、対応ができるということなのだと思います。
お客様にしてみたら、御社の内部の事情なんて関係ありません。
もし、「WE」という考え方を持っていれば、
クレームを受けた際に、担当外であっても
「担当者になり代わりましてお詫び申し上げます」と
一言添えることは、その人にとっては当然のことになるのです。
では、「WE」という感覚が持てないという事は、
社内に何が起きているのでしょう?
詳しく話すと、一つのテーマになるくらいのお話ですが、
簡単に言うと、社内に「安心」や「信頼」が
醸成されていないということが一つあるでしょう。
あなたが会社や組織、同僚に不信感を持っていたら、
自分のものではないミスのために、
頭を下げたいなんて思わないですよね。
もし、身近にそんな社員・チームがいたとしたら、
ちょっと考えたいところです。
制度や役割が明確になればなるほど、
組織やチームの中で、お互いが信頼し合える環境をいかに整えるか?
そのためには、何ができるでしょう?
ぜひ、みなさんも考えてみてくださいね!
来週は、シンプルな「信頼」の構築方法について
少し、お話してみたいと思います。
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
「WE」と聞いて思い出したことは、この一節。
最近ではCMにも使われてましたね。
Our knowledge has made us cynical,
our cleverness hard and unkind.
We think too much and feel too little.
More than machinery, we need humanity.
More than cleverness, we need kindness and gentleness.
Without these qualities, life will be violent and all will be lost.
(和訳)
知識は私たちを皮肉にし、
知恵は私たちを冷たく、薄情にした。
私たちは考え過ぎるあまり、感情をなくした。
機械よりも、私たちには人類愛が必要なのだ。
賢さよりも、優しさや思いやりが必要なのだ。
そういう感情なしには、世の中は暴力で満ち、全てが失われてしまう。
チャップリンの映画「独裁者」のストーリー最終版の
かの有名な演説の一説です。
「WE」を使っていたという事は、劇中のチャップリンは
やはり「当事者」だったのだということなのかなと思います。
この「WE」の持つ力強さを体験したい方、ぜひ一度ご覧くださいませ。
この勧め方もどうかと思いますが、
wikipediaでストーリーを読んで、Youtubeで演説だけ見ることも
可能な世の中でございますので^^
次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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