『部下と「振り返り」をする時に気を付けること』~明快通信Vol.056~
2015年4月28日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
来週には、端午の節句が来ます。この時期、ふと思い出すこと。
お人形遊びより、仮面ライダーごっこが好きだった私としては、
鎧や兜と並んで、写真を撮る男の子に羨望の眼差しを向けていたこと。
(マント然とした風呂敷に、新聞を丸めた棒。
なんとも微笑ましく愛おしい気持ちになりました)
先日、明快通信【号外】でご案内した、
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さて、今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「社員育成」。詳しくは本文で・・・!
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テーマ:部下と「振り返り」をする時に気を付けること
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先週は、部下の成長を促すために、リーダーとしては
「振り返り」の支援をしてみてはどうでしょう?という
お話をいたしました。
とはいえ、効果的な「振り返り」って何だろう?と
思われる方も多いと思いますので、
日頃からできる簡単な「振り返り」のノウハウをお伝えします。
■決して悪いことばかり振り返らない
例えば、先週1週間の振り返りを定期的にしている
上司と部下を想定してお話していきましょう。
こんな順番で聞いてみてください。
(1)先週は、何を一番頑張ったと思う?
もっと良くなるとしたら何ができそう?
(ナイスプレイをファインプレイにするには?)
(2)小さなことでもいいからやってみようと思ったことあった?
ナイストライだったと思うことある?
(3)自分の事を慰めたくなるようなドンマイなことあった?
見ていただくとわかるように、振り返りは決して、
悪かったことや失敗したことだけ振り返るものではありません。
そして、良かったことを聞いてから、失敗したことを
聞くという順番には、実は、私なりのこだわりがあります。
■気づきや発想は、気持ちのいい状態でしか起こらない
この順番がどういうことかというと、
まず、良かった状態を聞くという事は、部下の中に
ポジティブな状態を作り出しているのです。
私はポジティブ心理学の考え方が好きなのですが、
ポジティブ心理学によれば、ポジティブという側面と
ネガティブという側面が、どちらも人間に備わっているのには
理由があるというのです。
・ポジティブ…新しいものを生み出すため
・ネガティブ…命を守るため
また、ここでいうポジティブは、「ポジティブシンキング」などで
使われている意味とはちょっと違っています。
ポジティブな状態とは、嫌なものを持たない状態であり、
気持ちのいい状態であること。
そして、自分がポジティブな状態であることを認識できていることが
必要なのだそうです。
そうしないと、新たな発想は生まれていかないんですね。
つまり、嫌な事ばかり振り返っていれば、人間ですから嫌にもなります。
そうなれば、新しい知識やルールを自分の中に作り出すための
ベストな状態にはならないわけです。
だから、最初にしっかり頑張ったことを聞きます。
■「ナイストライ」と「ドンマイ」へのアプローチ
「ナイストライ」を聞く理由としては、やはり挑戦しようとする意欲を
上司自身が知ることにもなりますし、その意欲を肯定すれば、
ますます本人の中で大きな意欲が育っていきます。
そして、そのナイストライによって得たもの、
達成できたのであれば、次は何に生かすことができるような
トライだったのかを聞いてみましょう。
得たものは、言語化することで本人の無意識下に
蓄積されるきっかけとなります。
次に生かすことを探れるという事は、
気づきや視野の広がりを助長することになるでしょう。
(意識と無意識の話はこちら↓↓
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次に「ドンマイ」ですが、ここで意識してほしいことは
「失敗したことはしょうがない」ということです。
そして「自分で自分を慰めてあげる」ということです。
自分自身に「ドンマイ」と言ってあげる機会にするのです。
むしろ、「嫌な思いしただろ?
怒られたのが嫌なわけじゃなかったでしょ?
何か思うことあったでしょ?」と聞いてみましょう。
「こうしてたら違う結果になってたかもと思うんですよね」
なんていう答えが返ってきたら、してやったりです。
「何でそう思ったの?」つまり本人が何かに気づいているわけですから
そこを丁寧に聞いていきます。
こうやって、良いことでも悪いことでも
「振り返り」の中から「気づき」を得ていくわけです。
もともと洞察力の深い社員については
この3つ全部を聞かなくても、ナイスプレイがどうして生まれたか
といった観点から、お話するだけでも十分かもしれませんね。
ぜひ、部下の視野を広げるために、
「振り返り」を有効に使ってみてください。
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
私がこの話を聞いて、一番、楽しいと感じたこと。
ある人が自身の言動について、
その良さを自覚していない場合。
こちらが良いと思ったことを素直に
「ここがこういうふうに良かった」と具体的に伝えると、
本人がその言動を良いものとして初めて意識し、
習慣化される場合があること。
私が実際に、そうしてもらっていたことで、
その後、意識的にさらに力を伸ばすチャンスを
いただいたことがありました。
良いタイミングで、振り返る瞬間を逃さなければ
人は面白いくらいに、反応を示すものなのか!と思い、
その可能性に強く心惹かれたのでした。
次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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