『上司から突拍子のないことを言われたときに考えること』~明快通信Vol.052~
2015年3月24日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
先日、携帯電話のアドレス帳を自らの不注意により消滅させました。
(データの断捨離と思って、心安らかにやっていこうと思います)
さて、今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「社長」。詳しくは本文で・・・!
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テーマ:上司から突拍子のないことを言われたときに考えること
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上司や社長の視点から、お話することが多いのですが、
先日、こんな質問をいただいたので、この場を借りて
回答したいと思います。
質問:
「社長や上司が気持ちよく仕事ができるための
社員のあり方というのはどういうものなのでしょうか?」
会社員の方だったのですが、なんとも殊勝な質問ですよね。
この質問に対して、私が考える一つの視点を
お届けできればと思います。
■正面切って戦うということ
実は、私自身の会社員時代のある時期に、
上司に気持ちよく仕事をしてもらうことの大切さに
気付くことがありました。
それこそが私の今の考え方のもとになった体験の一つです。
というのも、40代前後までの私は、
とにかくバリバリ仕事をこなし、成績も上げ、
「俺に任せろ!」と言わんばかりでありました。
なので、上司に何か言われようものなら、
「正しいものはこれですけど、どうしたらいいんでしょうか?」と
正面切って戦っていました。
ですが、部長職になり、経営者と直接やりとりをするようになった時、
とたんに、評価がガクンと下がったわけです。
時を同じくして、スイスイと昇格していく同期がいたのですが
「ウォーキング風見鶏」と言われていたその同期が
なぜ、昇格していくのか? わが目を疑いました。
そしてその同期を見ていて気付いたことがこれからお話することです。
■上司が気持ちよく仕事をできるということ
この時、同期を見ていて気付いたことは、
彼は、決して上司の意見や話を真っ向から
否定しなかったということです。
周りから聞いていると、どんなに無理難題を言われていても
彼の第一声は
「なるほど。」でした。
そしてこう続くのです。
「だとしたら・・・」
これだけの事なのですが、彼は本当に上層部から寵愛されていました。
そして、彼を通して上司の話を聞くと、
彼らが何を言わんとしているかよくわかるようになるのです。
どういうことなのか?
私なりに解説してみます。
まず、「なるほど」。
これは、まさに上司の言われていることを無条件に
受け入れる・受容の姿勢です。
次に、「だとしたら…」。
これは、受け入れた上で、社長や上司の意向について
私なりに解釈・思考してみましたよというサインです。
■受容⇒解釈・思考で生まれるもの
そうすると何が生まれるか。こんな例を挙げてみます。
社長:「うちはコンサル会社だけど、花屋を開業したい!
お客様にも贈答用のお花を必要としている人がいるから
きっとうまくいくはず!」
社員:「なるほど。だとしたら、花の手配、アレンジメント、
配送が要素として必要になってきますね。」
社長:「そうか。アレンジメントと配送が必要・・・
どちらも仕組み作るのが重たそうだな。」
例が極端ですが、突拍子もないことを言った社長に対して、
「イラっ」としたり、「そんなのやめましょうよー」
ということは簡単です。
だからこそ、「なるほど、だとしたら…」と言って、
話を敢えて前に進めてみます。
そうすると、現実から見えてくる
解決するためのポイントが見つかるのです。
これは言葉を変えると、真っ向勝負を挑まずして、
社長に言いたいことをフィードバックしてることにもなるわけです。
そうなると、社長としては、その事実やネックポイントを
勘案せざるをえません。
■社長や上司が気持ちいいということ
社長や上司も人間ですから、自分の会社やチームの社員が
いい奴だなぁと思うことは、この上なく素晴らしい快感なわけです。
決して、媚びろというわけではないですし、
イエスマンになればいいというのでもありません。
受け取って、「だとしたら」変換をして、
社長や上司が受け取りやすい表現方法を使う。
社員にとっては、自分自身の伝えたいことを伝えるための
セルフディレクションなのかもしれません。
社長や上司に気持ちよく仕事をしてもらうことを考えながら、
自分の視点や意向を伝える方法として、ぜひ参考にしてみてください。
いかがでしたでしょうか?
殊勝な会社員の彼にも伝わるといいのですが・・・
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
上司が気持ちよく仕事をしてくれることと聞いて
思い出したのが、映画にもなった小説、
カズオ・イシグロの「日の名残り」です。
主人公のスティーブンスは、第二次世界大戦下の
イギリスで、主人に仕える執事で、彼の一人称で
小説は進んでいきます。
その中で、ストーリーとは別に、執事として、
滅私といいますか、没我といいますか
彼が主人のために、最善を導き出していく心境とプロセスに
触れることができるんですよね。
読んで、相手のための気持ちよさ、居心地の良さ、
最善を考えることについて、どうしても考えてしまい、
我が身を振り返りました。
この先には何があるのか。。。
「信頼」といった言葉に近いものなのかもしれませんね。
次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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