『育てたい社員には飢餓感・不足感を感じさせる』~明快通信Vol.049~
2015年3月3日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
最近、超軽量の折り畳み傘をインターネットで買いました。
なんと重さ110g。届いた傘も色がキレイで気に入りました。
ただ、使おうと思って傘を開いてびっくり。柄がとても短い。。。
何かを追及するという事は、何かを切り捨てる時があるということ。
(深く心に刻まれた瞬間でした)
さて、今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「社員育成」。詳しくは本文で・・・!
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テーマ:育てたい社員には飢餓感・不足感を感じさせる
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最近は、新入社員に思考力や論理力を
身につけるための研修をする会社が多いそうです。
けれど、そういう研修は得てして、あまり染み込まないもの。
新入社員に手取り足取り、業務を教えたはずなのに、
「全然できていない(泣)」ということも
よくある話なのではないでしょうか。
そもそも、期待していて、育ってほしい社員に
会社はどんな機会を準備すればいいのでしょう?
今回のキーワードは、
「飢餓感」や「不足感」の活用です。
どういうことか具体的にお話していきますね。
◆なぜ、飢餓感と不足感なのか?
実は、「あなたが成長したいと思う時は、どんな時か?」
という質問の答えに「このままじゃいけないと思った時」
という項目が必ず散見されます。
人間は、多くの場合、自分に必要だと思った時に
その必要な何かが驚くほどのスピードで吸収されていきます。
人間、喉が渇かなくては、水は飲みません。
だから、 何事も、始めに手取り足取り教える人もいますが、
実のところ、「やり方は先に見せられても、染み込まない」のです。
なぜなら、まだ本人は喉が渇いていないですから。
水を飲む必要性に迫られていないわけです。
でも、一度、喉が渇けば、満たそうとする心が働きます。
この喉の渇きがまさに、飢餓感や不足感です。
特に、成長したいという意欲の高い社員は、
この飢餓感や不足感を感じやすいものだと思います。
これをうまく使うと、育ってほしい社員の成長スピードを
速めることができるかもしれないわけです。
ポイントは、2つ。
◆ポイント1:理想の姿を見せ続ける
分かりやすく例をあげてみましょう。
寿司職人の親方と弟子を思い浮かべてみてください。
弟子にとっての理想は、「親方の握る寿司」です。
自分の握りと、親方の握りの違いに愕然とし、
なぜ、親方のようにならないのか。。。と自問自答します。
自分が半人前であることを、いつも突きつけられるわけです。
「まだまだ駄目だな・・・」と感じる。
これが自分の技術に対する『不足感』と言えます。
そして「あの技を身につけたい」「あの技術に追いつきたい」
といった技術に対する『飢え』。
こういったものが、どうしたらその理想に近づいていけるかという
探究の道に、人を走らせていきます。
親方の技を盗み見たり、自分で試行錯誤を繰り返したり。
そうやって成長していくのです。
「期待の新人は、一番できる社員につけろ」というのは、
最初に基準の高さを見せつけることが最も重要なことだと
わかっているからですよね。
そして、この飢餓感や不足感を効果的に成長につなげていくには
『独りで乗り越えることが難しい時』に、
サポートできれば良いと思うのです。
これこそまさに、社員の成長を加速させる
経営者や上司のスタンスの一つであると私は思っています。
では、経営者や上司はどう関わっていけばいいでしょう?
これが2つ目のポイントになります。
◆ポイント2:タイミングよく水を差しだす
まず始めに考えてほしいことは、
成長してほしい社員に壁にぶつかってもらうことです。
手取り足取り教えることなく、まずはやらせてみて
最速で壁にぶつかってもらいます。
そして、「あ~~~。どうすればいいんだろう?」と
悩みに悩みぬいて、「無理かも・・・」となりそうになったときです。
このとても喉が渇いている瞬間が、社長や上司の出番なわけです。
普段から、社員より高い視座で物を見ている社長や上司なら、
視野を広げる提案ができるに違いないのです。
「こんな風に考えてみたらどうなるだろう?」
新しい視点の提供。この一言がまさに差し出された水です。
この水により、本人がごくごくと飲み干して、
次の一手に気づいたとしたら、とにかく実行させます。
それが失敗するときも、成功する時もあるでしょう。
成功する機会が増えれば、本人にはどんどん力がついていきますし、
失敗しても、また次の水を差しだす瞬間を考えてみましょう。
こういった経験が増えていくと、視野を広げて行動する快感を知り、
自ら視野を広げるようになる人も多いと思います。
そして、私の経験から言うと、
上司のそのタイミングと一言が、
ガツンとはまってしまえば、社員が上司に惚れてしまうくらい、
素敵な関係性が築けるチャンスでもあります。
いかがでしたか?
育てたい・育ってほしいと思っている社員に飢餓感や不足感を
感じてもらえているでしょうか?
そして、適切な瞬間に、適切なアプローチをしていくこと。
みなさんもぜひ考えてみてくださいね!
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
プロと聞いて、思い出したこと。
1月に放映されたNHKの「プロフェッショナル」でも
取り上げられてご存知の方も多いと思います。
ラグビー日本チームの代表監督エディー・ジョーンズ氏。
この方が監督になられてから、
かのオールブラックス(ニュージーランド代表)との善戦が光るなど
度々、メディアでも取り上げられているのを見かけます。
氏によれば、日本人の世界一の強みは
「真面目で忍耐力があること」なんだそうです。
そして、この強みを生かし、さらにどんな要素を育て、
いかに強いチームを作るか?
選手それぞれの特性を見定めて行われるチーム運営。
なんともワクワクするお話でした。
ちなみに、彼の考えるプロフェッショナルとは、
「何事も常にしっかりやろうとしている人であり、
どこであろうと何をしていようと、
自分の仕事はできるだけ完璧にやろうとする人」なんだそうです。
次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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