『「組織風土」は本当に重要なのか? PART.2』~明快通信Vol.045~
2015年2月3日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
節分です。ジャンケンに負けて、鬼役を拝命、
すごい量の豆をぶつけられたことがありますが、
それからというものNHKの節分のニュースを見るたびに
鬼役の方への同情の念を禁じ得ません。
(鬼役をやった人には、何か良いことがありますように。)
さて、今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「組織風土」。詳しくは本文で・・・!
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テーマ:「組織風土」は本当に重要なのか? PART.2
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先週は、人間の「意識」と「無意識」と同じように、
実は、組織にも「意識」と「無意識」があるというお話をしました。
そして、組織の無意識にあたる部分が「組織風土」ですという
ところまでお話しました。
前回の分はこちら↓↓
http://infrequent.jp/kbbx769/1531
人間は、限られたキャパシティしかない「意識」を
有効活用するため、必要不可欠と判断された行動に関しては、
「無意識」に落とされて、貯めていくことができるというお話でした。
ということは、「組織の無意識=組織風土」にも
組織が必要と判断したものは、貯められていくということになります。
組織が必要と判断するもの?それって何でしょう?
もう少し、具体的に見ていきますね。
今回は、おそらくこれまでで一番難しいので
頑張ってついてきてくださいね!
◆「組織風土」は明文化・言語化されない。
イメージしやすくするために、例を挙げてみましょう。
ある会社で、社長はとにかく指示命令を徹底していました。
なので、社員たちは自分で判断する必要がありません。
ある時、新規事業の立上げに伴い、既存の事業は、
社長が任せられると思った社員に任せようと思いました。
任せてみて、蓋を開けてびっくり!
社長が指示命令していた時の状態を再現できない。維持できない。
これは、どういうことなのでしょうか?
まず、社長の指示命令は、社員にとって「絶対」なわけです。
そして、その指示命令を守ることが優秀な社員の証でもあった。
なので、いきなり任されたところで、社長と同じ目線で
指示や判断ができるわけがないわけです。
今までの、社員にとって、それは優秀さを示す
「必要不可欠」な要素ではなかったわけですから。
つまり、この「指示命令が絶対!」
「指示命令を守るのが優秀社員」ということは、
誰も口に出さずとも、組織が「無意識」に守ってきたことなわけです。
これがまさに「組織風土」です。
このように、明文化や言語化されぬまま、
「蓄積されていく価値観」が「組織風土」であると
言えるかもしれません。
◆無意識に何を貯めるか?
これを聞いて、不安を感じられた経営者の皆さま。
さらに不安を煽るわけではないですが、
今、この瞬間もまさに「無意識」には、良いものも悪いものも
溜まっていっているのです。
例えば、最近、社員たちの勤怠が気になるなぁと思っても、
注意もせず、諭しもしないのであれば、
それは、会社の組織風土として溜まっていっているわけです。
いつしか、「時間に少しくらい遅れても大丈夫」という雰囲気が
誰もはっきり言わないけれど、根付いていきます。
だからこそ、社長が組織運営上で感じた違和感は
放置してはいけません。
そうやって、気づかぬうちに、悪いものが溜まっていきます。
悪いものが溜まっていくとどうなると思いますか?
意識にいくら最高の目標や理念を掲げたとしても、
気づいたときには、悪いものが無意識(風土)に
たくさん溜まっていて、それはそれは
ガタガタな組織になっていきます。
最悪の価値観にぐるぐる巻きにされた組織に
最高のパフォーマンスなんて出せるはずがないわけです。
◆一度染みついた風土はどうすればいいのか?
そして、ここまで読んでいただくと、組織風土って、変えることが
もしかしてすごく大変なこと?と思われた方いませんか?
そう、大変なんです。
今、実際に、風土に悪い価値観が溜まっているのであれば、
「意識」にどんどん質の良いものを置いていって、
無意識から悪いものを時間をかけて
追い出していかなくてはいけないかもしれません。
時には、社長自身の意識をまるごと変えてしまったり、
人の入れ替えなどの荒療治が必要になったりするかもしれません。
はたまた、無意識(風土)の中で、とてもパワーの強い社員がいるなら、
そういった影響力の強い社員に辛抱強く働き掛けることで
変えていくことができることもあります。
社長がどんなに長期的な未来を見て、頑張っていっても
組織の力なくしては、会社の維持も発展も見込めない。
だからこそ、組織風土を大事にしてほしい。
というのが、私のお伝えしたかったところです。
会社の無意識が「組織風土」である。
ぜひ、みなさんも考えてみてくださいね。
組織風土の変え方については、いろんな観点があって
かなり長くなるので、またの機会に詳しくお伝えします!
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
自分の中に、何を貯めるかがとても重要であるというお話。
なんとも強く響きました。
一度染みついた習慣を脱ぎ去るのは、個人ですら大変です。
組織に至っては、個人の集まりですから、それこそ大変ですよね。
自分自身について客観的になることはありますが、
社員として、無意識の中につかっている自分を
客観視したことはなかったように思います。
というわけで、
自分がどんな風土につかっているのか、俯瞰に挑戦中です。
次回もよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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