≫ HR Journal TOP

『組織の変化を妨げる「見えない規範」PART.2』~明快通信Vol.029~

2014年10月7日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

通勤電車のあるポイントから

気象条件が揃うと、富士山の頭を拝むことができます。

 

(なぜ、富士山が見えると嬉しいのか、何かの刷り込みなのでしょうか)

 

 

今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「組織変革」。

詳しくは本文で・・・!

 

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

テーマ:組織の変革を妨げる「見えない規範」PART.2

┗…┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…┛

前回は、組織が変わりにくいときの一つの要因に

「見えない規範」と「その規範を支える心理」について

お話しました。

 

そして「見えない規範」にも、組織がとらわれているものと、

個人がとらわれているものがあるとお伝えしましたね。

 

(前回分を読みたい方はこちらから↓↓

http://infrequent.jp/kbbx769/1341 )

 

今回は、それぞれにどんなアプローチをすることで

組織が変わっていく可能性があるのか、考えてみたいと思います。

 

【組織の「見えない規範」を解消するには?】

 

組織の「見えない規範」を変えていこうとするのであれば

その規範の核となっているポイントを探すことから

始めなくてはいけません。

 

たとえば、社長が社内の意見交換や提案が活発でないから、

どうにか現場の意見やアイディアを吸い上げたいと思っている。

そこで、各部に意見をとりまとめて、提出するように

指示を出しました。

 

ところが、あるA部長の報告は何やらおかしい。

外部から見ていても、もう少し違った意見が挙がってきても

おかしくない。

 

ふたを開けてみると、その部署では、

「A部長に反対されたらしょうがない。覆らない」といった

暗黙のルールがあり、社員には何かを変えようという

エネルギーは湧いてこない雰囲気になっていました。

 

もうお分かりかと思いますが、この場合、

まさにA部長が「見えない規範」の核なわけです。

 

こうなった場合、手っ取り早い方法は、

この核に直接的に働きかける施策を打つことです。

 

その時に、気を付けなければいけないのは、

社長自身が組織をどのように変えていきたいのか、

そのためにA部長にどうなってほしいのかを明確にしておくことです。

 

この「何のために」「自分はこうしてほしい」が明らかで無い場合、

感情に任せてA部長を排除したり、早まった対処でしこりを

残したり、よくわからない対処策を打ち出して現場に混乱を

招いたりするので、気を付けなければいけません。

 

さらに掘り下げていくと、深い話になるので、

このポイントは今日はここまでです。

次に個人が見えない規範にとらわれている場合です。

 

【個人の「見えない規範」を解消するには?】

 

個人の持っている「見えない規範」へのアプローチは

先週お話をした「見えない規範を支える心理」に注目します。

人が変わろうとするときは、その人の中に不安定さが生まれます。

そのため、その不安な状態を脱するために、

いつも自分が満たされているパターンに無意識に戻ろうとし、

結果、変われないという場合が往々にしてあるのです。

変わらないことで得られるものがあるわけです。

 

その根底には、ある種の欲求があると思っています。

 

人によって、この欲求は違うのですが

多くの人がとらわれやすい欲求の一つが

「優秀だと思われたい」「認められたい」です。

 

例えば、「言われたことをしっかりやっている」という評価を

得られている社員がいるとします。

この社員、言われたことをしっかりやっていれば

周囲から、優秀だと思ってもらえているわけです。

 

その社員に、上司が

「君の意見はどうなの?」と聞かれたとします。

おそらくこの社員は、固まってしまうのではないかと思います。

 

なぜなら、「自分の意見を持ち、上司に意見をすること」は

本人にとって、今まで、優秀だと思われる要素でなく、

価値あることではなかったからです。

 

社員がなかなか変わってくれずにいるとき、

何らかの期待がかかっていることを本人が認識していても、

自分を不安定にする状態からは逃げたいと

無意識に思っている可能性が高いのです。

 

もし、「優秀だと思われたい」という欲求が根底にあるとすると、

裏を返して考えることができます。

 

「優秀じゃないと思われなければ大丈夫」

 

これを達成するためには、いきなり大きなことをさせようとせず、

小さなことから達成していき、変化自体が

何もマイナスに作用しないことを確認していくことです。

 

そうすることで、自分の欲求やとらわれから

解放することができるのです。

 

お分かりいただけましたでしょうか?

 

人が無意識にとらわれている「見えない規範」と

「それを支える心理」に目を向けることで、

今まで「こうだ」と思っていた状況が

実は違っていたことに気づくことになるかもしれません。

 

もし、なかなか組織が変わっていかないときには、

一つの観点として、考えてみてくださいね。

 

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

これはまさに、自分の話だなと聞きながら思いました。

 

私は、「優秀に思われたい」にとらわれているかも?!

 

そう感じました。

そう思われなくなるのが不安で、一歩を踏み出せない。

 

けど、自分がそう思ってるとわかってしまえば、

 

「何を言ってるんだ、自分。

そんなことにこだわってる場合じゃないだろ」

 

と躊躇している自分を鼓舞できたりするんですよね。

人って、本当に不思議です。

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

————————————————————–

■『明快通信』バックナンバーが読めるようになりました。

http://infrequent.jp/kbbx769/2341

————————————————————–

■人事評価システム「明快」

http://infrequent.jp/kbbx769/3341

 

Facebookページはこちら

http://infrequent.jp/kbbx769/4341

————————————————————–

■経営組織アカデミーはこちら

http://infrequent.jp/kbbx769/5341

————————————————————–

■経営組織アカデミー(3%倶楽部会員、『明快』ご購入者はこちら)

http://infrequent.jp/kbbx769/6341

————————————————————–

 

▼『明快通信~中小企業は人事部を作りなさい!~Vol.029~

●井上健一郎のコラム『中小企業は人事部を作りなさい!』

このメールは、究和エンタープライズコンコードによる

メールマガジンです。


TOPへ戻る