『組織の変化を妨げる「見えない規範」』~明快通信Vol.028~
2014年9月30日
おはようございます。
人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。
先日、腰痛のため、マッサージに行ってきたのですが
原因は腰に無く、右の臀部と左肩がゴリゴリだと言われ、
さらには全身ひどい有様だったようで、ちょっと落ち込みました。
(身体を弛めると仕事のパフォーマンスが上がると聞き、絶賛ストレッチ中です。)
さて、今日は編集後記で、お知らせがありますのでお見逃しなく。
今週も井上先生から人や組織に関する
ノウハウを取材して参りました。
今回のテーマは「組織変革」。
詳しくは本文で・・・!
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テーマ:組織の変化を妨げる「見えない規範」PART.1
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「頑張ってはたらきかけているのに、
一向に組織が変わっていかない」という悩みは、
多くの経営者から相談を受けます。
そういった事例を聞くにつけ、何故なんだろうと
一緒に考えるのですが、最近、いくつかの要因のうちの一つに
はたと気づくことがありました。
今日はその話をしてみようと思います。
まずは、一つの例を挙げてみます。
あるところにワンマン社長がいました。
自ら起業し、十数年先頭で会社を引っ張ってきました。
現場で指示をし、自ら営業し、顧客のフォローにも行きます。
その甲斐あって、売上も順調に上がり、社員も増えてきました。
ある日、ふとこの社長は、こう考えました。
「組織を安定させて、今後の事を考えていくには、権限委譲をせねば!
現場を離れて、経営に集中しよう!
そのためにも、自分の代わりに回していける社員が必要だ」
早速、期待している社員を数人集め、宣言をします。
「私は、会社のために、もう現場には出ない。
君たちを部長として一切合財を任せていくことにする!」
その後、必死に、手取り足取り、自分のノウハウを叩き込もうと
必死に、社員に向き合おうとする社長。
ですが、当該の社員たちは、何やら、ピンときていない様子。
打てど叩けど響かない。
「部長としての役割を本当にわかっているのか?!」
そして、数か月後、社長の姿は、社長室ではなく、現場にありました。
誰よりも働き、手を動かしています。
社長の出した結論は、やっぱり俺がいないと現場は回っていかない!
こうして社長は未来を考える経営の仕事から距離を置いたのでした。
この事例を聞いて私が考えた原因は、
「見えない規範と規範を支える心理」です。
この場合、変わっていかない組織で、変わらない社長はもちろんですが
打てど叩けど響かない社員にも何かありそうですよね。
どういうことか説明していきましょう。
【変われない社長】
社長はあまりに変わっていかない社員を目の前に
「やっぱり俺がいないと現場は回っていかない!」という結論を
下したわけです。
このワンマン社長、あとあと聞いたところによると
無意識のうちにこう思っていたことがわかりました。
「やっぱりみんな俺の現場の仕切りに、さすが!と
思ってるんだろうな(^^)」
経営に専念することが良い選択であることをわかっていながら、
なぜか専念することを止めてしまったわけですが
この社長が捉われているのが実は、
「個人の持っている見えない規範」です。
後ほど、もう少し詳しく説明しますね。
【変わらない社員】
この事例の場合、社長がどんなに働きかけても
変わっていかない部長候補たちが印象的です。
なぜでしょう?
このワンマン社長は、ずっと「あーしろ!こーしろ!」といった
スタイルの経営をしてきました。
もちろん、社長の判断に異を唱えることなどさせません。
そんな社長のもとで、社長社員問わず、
無意識に培われた風土があります。
「評価される社員は、社長の言う事をしっかりやり遂げられる
イエスマンだ!」
そのため、社員たちは「社長に評価される社員」でいることを
貫いてきたわけです。
このずっと培われてきた風土が
「会社・組織の見えない規範」と言えます。
このように個人や組織がそれぞれ見えない規範を持っているのですが
では、なぜ、「見えない規範」から脱却できないのでしょう?
【見えない規範を支える心理】
実は、こういった「見えない規範」に従っていることで
本人たちは、何らかの充足感を得られている可能性が
非常に高いのです。
だからこそ「見えない規範」を取り外して、変化してしまうと
得られていた充足感が得られる保障が無くなってしまうわけです。
そして、変わることに対して、無意識のうちに、
心が不安でかき乱されてしまうのです。
例に挙げた社員たちのように「社長に評価される社員」でいることは
そうしていれば、評価され、優秀だと言われるわけです。
つまり認められ、自らを充足感で満たすことができる価値なわけです。
それをいきなり「変えろ!」と言われたら
「これからどうやって充足感を得ていったらいいの?!」という不安が
無意識のうちに生まれてしまうのです。
ワンマン社長が「現場を回して成果を上げることが価値」と
思うことも、起業し、現場で努力を重ね、結果をだし、
会社が大きくなり、周りから認められてきたという経験に
裏打ちされています。
そういった経験のもとで
社長自身が充足感で満たされてきたという背景なのです。
社長も経営に専念しようとすれば、自分が今まで従事していなかった
新しい局面を迎えることになります。
新規事業の立案や投資、組織の安定・拡充などなど。
今まで成果を出したことの無いものへの挑戦は不安を生みます。
どうしたら認められるのかわからないからです。
そうなれば、どうしても過去の満たされた体験へ
戻ろうとする心理が生まれてしまい、ひいては組織が変わっていかない
という事象を生んでいくことになるわけです。
「見えない規範」と「規範を支える心理」について
おわかりいただけたでしょうか?
来週は、この「見えない規範」を解決するアプローチについて
少しお話をしたいと思います。
ではまた来週お会いしましょう。
井上健一郎
■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
編集担当の佐藤明日美です。
明日は、井上さんの特別無料セミナーのご案内を
させていただきますので、お見逃しなく!!
さて、人の集まるところに生まれる「言語化されていない見えないルール」。
会社の会議で座る席が決まっているのも
一つの見えないルールなのだとか。
家族の中でも、「あれ」といえばこのこと!
みたいな暗黙のルールがあります。
いつの間にか、そのルールの中に無意識のうちに
組み込まれて自分が他の選択をしなくなる。
たしかに、考えず、違和感なくやってしまってるんですよね。
よく自己啓発の文言に、
変わりたいなら、いつもの自分と違うことをやりなさい。
といったニュアンスのものがありますが、
まさに、暗黙のルールからの脱却のことなんでしょうね。
また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!
佐藤明日美
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