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『「実務レベル」で物を考えてしまう社員のステップアップ法』~明快通信Vol.027~

2014年9月23日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

秋と聞いて、何故か思い出すのが

「桃栗三年、柿八年」ということわざ。

何事も成し遂げるには相応の時間が必要だと秋に毎年ふと思う。

 

(相応の時間も、結局は毎日の積み重ねですもんね。)

 

 

今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「人材教育」。

詳しくは本文で・・・!

 

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テーマ:「実務レベル」で物を考えてしまう社員のステップアップ法

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最近、こんなお悩み相談ををいただきました。

 

「お客様からの問合せに、もうワンステップ上の対応を

してほしい社員がいるんですが、どうすればいいのか

わからないんです。

 

うちは経営者向けのサービスを扱っているので

使用方法などの実務レベルで、質問に答えられるのは絶対なんですが

問合せしてくださった経営者の気持ちに沿った対応を

してほしいんですよね。

だって、もしかしたらその希望を叶えるのにもっと他にいい方法が

あるかもしれないでしょ?」

このお悩みを聞いて、私が真っ先に思い浮かんだのが

 

「何のために」

 

というキーワードです。

私自身もお客様とのかかわりの中で、大切にしているポイントです。

 

なぜ、「何のために」が大事なんでしょうか?

 

【「何のために」が大事な理由】

 

わかりやすくするために、例を出してみます。

 

 

あなたは道を聞かれました。

 

「○○の交差点はどこでしょうか?」

 

「目の前の道を直進し、2つ目の信号が○○の交差点です」

 

 

おそらく、これがよくある会話だと思います。

違うパターンも見てみましょう。

 

「○○の交差点はどこでしょうか?」

 

「ちなみにどちらに行かれるんですか?」

 

「××会社まで行きたいんですが」

 

「それでしたら、交差点まで行かれる必要ありませんよ。

1つ目の信号を過ぎたところにあるコーヒーショップの隣です。」

 

結果が歴然と違うことは、お分かりいただけたかと思います。

 

キーになった言葉は「どちらに行かれるんですか?」

 

つまり「何のために」交差点に向かっているのかを聞いたわけです。

 

「何のために」と問いかけることで

その質問を投げかけたそもそもの目的や

その人が達成したいと思っていることを引き出すことができるのです。

 

つまり、その人たちが必要としているサポートへの近道になるとも

言い換えられるのではないでしょうか。

 

 

【「何のために」が自然と口から出るには?】

 

「何のために」を相手に投げかけられるときというのは、

自分の意識が「この人を、何とかサポートしたい!」

「この人がやりたいことを叶えたい!」に向くか

どうかなのだと思うのです。

そうすれば、顧客に経営者の方々が多くても、ある程度の満足感を

持っていただける対応が可能になると思うのです。

 

よく使う例えとしては、

社長が見ている景色はビルの屋上からの景色。

社員は、1階だったり、3階だったり、

それぞれの景色を見ているものです。

見ている景色が違うからこそ、社長と社員がなかなか分かり合えない

ということが起こるわけです。

 

最初に挙げた質問で、その社員がお客様の経営者の方と同じ視座、

つまり屋上からの景色を見て話すことはやはり難しいでしょう。

 

けれど、「この人のサポートをしたい」という意識が

社員自身の階層を1階から3階、もしくは5階へと引き上げることが

可能になりますし、お客様もその姿勢が見えることで

嫌な気持ちはしなくなると思うのです。

 

 

【社員に対してできること】

 

とはいえ、この「何のために」が生まれてくるには

意識的なところも然り、経験と知恵の積み重ねも重要になってきます。

 

経験し、そのときに得た知恵によって、自信を持って

「何のために」という質問を投げかけられるようになります。

 

それでは、経験が蓄積するまで待たねばいけないのか?

と思われるでしょうが、体得した知恵とはいかなくとも

すでに経験した人たちから知恵を吸収することはできるわけです。

 

どういうことかというと、リーダーや管理職が、

自分の知恵を伝えていけばいいわけです。

とはいえ、体得していない知恵は身につきにくいので、

いきなり、一気に伝えず、実際の経験に紐づくものから順番に

少しずつ伝えていくのが良いと思います。

 

あるお客様からの質問があったときに、

ご自身の経験から、その質問で想起される事柄を

伝えてみてください。

そして、経験が浅くても、知恵がまだまだ少なくても

「何のために」が癖になるよう、リーダー自身が

社員に問いかけてみてくださいね。

 

「このお客さんは何のために質問をしてきたんだろう」

 

そうすることで、実務ベースの視点から

何階層も広い視点で物事を見ることができるようになると思います。

 

いかがでしょうか?

 

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

この話を聞きながら思い出したことがありました。

 

人への『共感』についてです。

 

あくまで個人的な解釈ですが

 

『共感』というのは、話す人の取り巻く環境や

ディテールを知ったうえで、感情的な要素を聞くからこそ、

初めて相手が感じた感情を理解できるように感じる、

それが『共感』なんじゃないかと思っています。

 

もし「今、忙しくてとてもつらい」とだけ言われたとしても

いったいなんのことやら、「大変だね」の一言で終わってしまう。

 

だから「どうしたの?何があったの?」と聞いていくと

初めて本人の置かれた環境が分かり、

「それは辛かったねぇ」と言えるように思います。

 

その一言をちゃんと言えるくらい相手の話を

しっかり聞きたいと思う今日この頃です。

根掘り葉掘り聞きすぎてもいけませんが・・・

 

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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